上記の症状にあてはまるものがある方は、お口周りの筋肉や舌に悪い癖などの機能的な問題がある可能性があります。このような悪い癖などの口腔筋機能の問題は歯並びに影響を及ぼします。
特に舌が前に出るなどの舌の癖は「舌癖」と呼ばれ、歯並びに悪い影響を与えることがあります。普段から、舌が上下の歯の間にあったり、舌で歯を押してしまう癖があると、上顎前突(上の歯が前に出ている)、空隙歯列(歯の間に隙間がある)、開咬(上下の歯の間が開いている)などの噛み合わせになってしまう場合があります。
舌癖をそのままにしてしまうと、矯正装置を付けていても歯並びが綺麗になりにくかったり、矯正治療後に後戻りをしてしまうことがあります。
私たちは、咀嚼(噛み砕く)、嚥下(飲み込む)、発音、呼吸(鼻呼吸)をする際に特に意識せずバランスよく筋肉を使い行っています。しかし、舌や口輪筋の筋力が弱かったり、舌の使い方に悪い癖があったりすると、咀嚼、嚥下、発音、呼吸の動きのバランスがくずれます。そのような人は正常ではない咀嚼、嚥下、発音で生活することになります。さらに舌やお口まわりの筋力のバランスが悪いことは歯列に影響を及ぼし、歯並びが悪くなってしまう要因にもなります。
そのため、当院では綺麗な歯並びを保つために矯正治療とMFT(口腔筋機能療法)を組み合わせて行っています。
MFT(Oral Myo Functional Therapy) は、舌や口のまわりの筋肉バランスを整え、正しく機能させるためのトレーニングです。
トレーニングは主に舌、口腔周囲筋に焦点を当て、正しい舌の動きや正しい口まわりの筋肉の動きの獲得を目指します。
当院では歯科医師、歯科衛生士が中心となって、半年から1年程かけてMFTのトレーニングを行っています。
矯正治療を受ける方はMFTを組み合わせて行うことで治療がスムーズに進み、治療後の後戻りを少なくすることができます。
MFTトレーニングを行うことで、以下のように症状を改善することができるようになります。
当院では患者様の口腔筋機能の状態を診査し、問題点にあわせてカスタマイズしたトレーニングメニューを作成しています。
トレーニングの効果を確認するために、お口周りの筋力のバランスについてレーダーチャートを用いてMFTトレーニングの前と後の変化を患者様にお見せしています。
※当院で開発した専門のトレーニングソフトを使用してMFTを行っています。
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▼初診時49歳11ヶ月
▼50歳5ヶ月
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初診時、49歳の患者様です。
開咬と、咀嚼障害(食べ物を噛み切ることが困難)が認められました。
矯正治療を始める前に6ヶ月間MFTを行った結果、舌突出癖が少なくなり噛み合わせの改善がみられました。
▼初診時 7歳2ヶ月
▼8歳11ヶ月
▼12歳7ヶ月
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初診時、7歳の患者様です。
開咬と、受け口の傾向が認められました。
舌突出癖がみられたため、矯正治療と並行してMFTを行った結果、舌突出癖が少なくなり噛み合わせの改善がみられました。
MFTのレッスンには以下の別途料金が発生します。
MFT料金 | 検査費用 | ¥11,000(税込) |
レッスン費用 | ¥22,000(税込) |
本来であれば、6歳頃にお口の周りの正常な筋肉の機能が日常生活の中で身につきますが、時期を逃し悪い癖がそのままになっている方も多くいます。
お口まわりの悪い癖があるお子様は、成長発育期にMFTのトレーニングを行いお口まわりの筋機能を整えることで、正しい食べ方や飲み込み方、発音などを身につけることが可能です。そのことが、歯並びやかみ合わせなどへの悪影響を防止することにつながります。
また、大人の方でもMFTを実践することで矯正治療をスムーズに進めかみ合わせを安定させ、矯正治療後の後戻りを防ぐ効果があります。
ご自身やお子様の舌やお口まわりの癖で気になることがあれば、当院までご相談ください。